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空想科学ゼミ SEMINAR

疑問を抱き、材料を集め、自ら考える

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研究報告
『かぐや姫』 竹の中にどうやって入った?
(直樹・滋賀県立河瀬高校2年)
疑問
かぐや姫はどんな方法で竹の中に入ったのか。

昔話紹介

“竹取のおきな”と呼ばれるじいさんがいた。光る竹を見つけて切ってみると、その中には小さくてかわいい女の子が!

材料と検証

〇可能な限り竹に穴を開けずに中に入る方法を考える。

〇竹の害虫はどうやって中に入っているのか。

〇そもそも竹の中にいることは可能なのか。

〇竹の性質を調べる。

結論と、それにより物語はどう変わる?

かぐや姫はまず、入りたい竹の近くを掘る。生えている竹の下まで掘り進み、そこから上に掘った空洞から侵入した。(※この時、中に水が入っていることがあるので注意)(※壁のように硬いところは頑張って壊す)

光る竹を見つけて切ると、その中には「地面を掘ったせいで土だらけになり、竹の中に水が入っていたせいで服がぬれている」小さくてかわいい女の子がいました。

柳田理科雄のコメント

かぐや姫がどうやって竹の中に入ったか!? 日本の歴史も長いですが、この疑問を抱いた人は初めてでは!?

しかし、竹を切ったら、なかに女の子がいた……こんな場面に遭遇したら、誰だって思うでしょう。「この子は、どうやって入ったんだろう!?」と。よく、「物語の登場人物になったつもりで考えましょう」と言われますが、直樹さんはそれができたわけですね。

そして、穴を掘って下から侵入するという結論にたどり着きました。魔法や超能力でも使わない限り、確かにこうするしかないでしょう。

笑ったのは「このとき、中に水が入っていることがあるので注意」。ここでも登場人物の立場に立って、細かいことまで心配してあげています!

でも、竹の節のなかに水がたまることがあるのでしょうか。調べてみたら、「竹水(ちくすい)」と呼ばれ、竹同士がぶつかって開いた穴から雨水が入ったものと、竹自身からしみ出したものがあり、後者は「滲出水(しんしゅつすい)」と呼ばれるそうです。竹の子の滲出水はアミノ酸が豊富で化粧水にも使われ、雨水がたまった竹水は糖分が発酵してアルコールになることもあるそうです。竹の水で濡れたかぐや姫は、お肌がつやつやになっていたり、酔っ払っていたりしたかもしれませんね。

しかし、竹水をよく知っていましたね。経験したのでしょうか。僕もいい勉強になりました。