昔話紹介
おじいさんとおばあさんが住んでいた。そんなある日、おばあさんが川で洗濯していると、桃が流れてきた。家に帰って切ってみると、桃から赤ん坊が生まれ、桃太郎と名付けられて鬼退治に出かけるというお話。
材料と検証
『桃太郎』に出てくるきびだんごは、キビの粉で作った和菓子です。一個あたり40キロカロリーで、タンパク質は7.5グラムと考えられる。さらに砂糖や水飴といった甘い糖は、エネルギーにはなりにくいと考えられる。犬たちは「きびだんごを一つ分けてください」とあるが、犬たちは一つもらったとはいえ鬼を倒すために必要なエネルギーを摂取しきれてないと考える。
結論と、それにより物語はどう変わる?
犬、猿、キジは桃太郎と鬼退治に行って鬼と戦うが、きびだんごが一つしかなかったせいか、3体のお供はぐったりし、戦う気力を失いました。仕方なく桃太郎が一人で戦いますが、歯が立たず、あえなく桃太郎たちは、鬼たちにボコボコにされました。「おしまい」
柳田理科雄のコメント
着眼点がいいですね! 犬、猿、キジとキビだんごのエピソードは、よく知っているだけに、ついスルーしそうになりますが、ここで立ち止まり、考えました。与えられた使命は恐ろしい鬼と戦うこと、もらったのはたった1個のきびだんご。リスクに比べて、リターンがあまりにも小さい! 気力が出なくてボコボコにされたという結論も、納得です。 「3体のお供」というのもいいですね。「3匹」と書いてしまうと、キジが当てはまりません。言葉選びが細やかだと思います。
きびだんごについて、よく調べましたね。どんな資料で調べたのか、それも書いてくれれば、もっとよかったです。
きびだんご1個が40kcalというのは、僕も初めて知りました。動物たちが1日に消費するエネルギーがどれくらいなのか、データが手に入りやすい犬についてだけでも調べれば、もっと面白い研究になったかもしれません。
「甘い糖類はエネルギーになりにくい」というのは、たぶん資料の読み間違いだと思います。動物がエネルギー源にできるのは、糖類などの炭水化物、脂肪、タンパク質の3つで、この順に早くエネルギーに変わります。でも、読み間違いは誰にでもあるので、そんなに気にすることはありません。次から気をつけて、また楽しい研究をしてください。