昔話紹介
オオカミは、病気のおばあさんのお見舞いに行く途中の赤ずきんの後をつけ、おばあさんを食べてしまい、それから赤ずきんのことも騙して食べてしまう。最後は赤ずきんとおばあさんは狩人によって無事救助された、というお話。
材料と検証
まず、赤ずきんとおばあさんの身長について調べた。赤ずきんを10歳くらいの女の子として、おばあさんを65歳以上の年齢に例える。「年齢別平均身長一覧‐手帳のおまけ」というサイトで調べた結果、10歳くらいの身長は138.7㎝で、60~69歳の身長は154.0㎝ということがわかった。このことから、このオオカミの胃の大きさは、赤ずきんとおばあさんの身長を足すと約292.7㎝ということがわかる。
また、オオカミが生肉を丸呑みしたとき、どれぐらいたつとドロドロになるのかも調べたいと思った。「ドッグフード 帝塚ハウンドカム」というサイトで調べた結果、オオカミに近い犬が生肉を消化する時間は、4から5時間くらいだとわかった。
結論と、それにより物語はどう変わる?
赤ずきんとおばあさんは巨大なオオカミに丸呑みされ、食べられてしまいます。しばらくして、助けにやってきた狩人は、巨大オオカミを激闘のうえ倒します。ようやくオオカミの腹を開けると…ややドロドロになりかけた赤ずきんと少しドロドロになってしまったおばあさんを助け出すことができました。完
柳田理科雄のコメント
2人を丸呑みにしたオオカミの胃の大きは推定292.7㎝! 胃だけでこの大きさ! デカイ! 確かに、おばあさん、赤ずきんの順で胃に入り、2人が横に並ばなかったとしたら、オオカミの胃の大きさは、2人の身長の足し算になりますね。
そして、2人が消化されるまでの時間も気になって調べたら、話が大きく変わりました。後で食べられた赤ずきんは「ややドロドロになりかけ」、先に食べられていたおばあさんは「少しドロドロになってしまった」。オオカミの胃にいた時間によって、微妙に差があるのがオモシロイ!
前半は力強く、後半は繊細。正反対の2つの考え方ができるのがいいと思います。
前半を読んで、僕は「胃だけでこんなに大きかったら、全身はどうなるんだろう?」と気になって仕方がなくなりました。そこでオオカミの胃の大きさを調べたのですが、データが見つかりません。代わりに、人間の胃の大きさを調べたら「入り口から出口までの長さは、成人で25㎝」(goo辞書)。身長の6~7分の1ということになります。オオカミも同じ比率だったら……!? ぜひ考えてみてください。