上へ戻る

空想科学ゼミ SEMINAR

疑問を抱き、材料を集め、自ら考える

ホーム > 空想科学ゼミ > 昔話を空想科学しよう! > 『赤ずきん』狼はなぜ2人を丸のみにできた?(田川 楓・菊陽西小学校5年)
研究報告
『赤ずきん』狼はなぜ2人を丸のみにできた?
(田川 楓・菊陽西小学校5年)
疑問
赤ずきんの話の狼はおばあさんと赤ずきんを何故丸飲み出来たのか。

昔話紹介

 赤ずきんがおばあさんにお見舞いに行って、あかずきんとおばあさんを丸飲みにした悪い狼を撃退するお話

材料と検証

・赤ずきんとおばあさんを丸飲みするほどの狼は凄かったのか

肉食動物は食いだめ出来るように、胃は比較的大きい方だ。しかし、おばあさんと赤ずきんが生存できるほどのスペースはあるのか…赤ずきんの年齢的にも、多分おばあさんは70代だと思う。70代の平均身長を調べてみると149cmだということが分かった。狼は体長が100cm~160cm程なので童話に出てくる狼の身長は平均より高いと予想される。

蛇は人間を丸飲みしてお腹が膨らむというから蛇と同じように考えると、狼の胃の中におばあさんが立ったまま入ったとしたら狼の身長を160cmと 70代の平均身長の149㎝で160+149で約300cm程の身長になってしまう。

又、体重もヤバいほど重くなっているに違い無い。

調べたところ、小学四年生の平均体重は31kg、70代の平均体重は51kg。狼は25kg~50kg。今回検証する狼は160cmの設定だから50kgほどだと考えよう。

狼一匹に二人の人間が入ると考え計算すると約130kgとなる。極端な話。狼は赤ずきんとおばあさんを食べた後、身長が伸び、体重が130kgをオーバーしてしまうと言う大変な話になってしまう…

狼は、赤ずきんとおばあさんを一回食べるので31+51=82、つまり、82㎏体重が増えることになる。

狼は、一回に5㎏程度食べるので何回食べるのかを考えると82÷5=16.4で16.4回分も一気に食べているんですね…(笑)

やはり、狼は凄く凄く恐ろしい…

結論と、それにより物語はどう変わる?

ある日、狼は赤ずきんとそのおばあさんを食べようとたくらみました。

そして、家に侵入し、おばあさんを食べると…あら、体重が増えて動けなくなってしまいました。

「う、動けない…」

その状態のまま、どうしようかと考えていたところ、赤ずきんがドアを開け、狼を見て

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ」

と悲鳴を上げ、それに気づいた近くに住んでいる住人と、どうにか狼からおばあさんを救出しました。

その狼は生きているものを食べる事を恐れて、それから雑草しか食べなくなったそうです。

柳田理科雄のコメント

赤ずきんとおばあさんを丸のみにした狼は、とても大きかったのでは……なるほど、僕もそう思います! 雑草しか食べなくなったという結末も、とってもオモシロイ!

狼とおばあさんの身長を足し算しているところが、ちょっとわかりませんが、とにかく大きかったのは間違いないでしょう。

すごいなと思ったのは、赤ずきんとおばあさんの体重を、普通の狼が食べる量と比較した「着眼点」です。普通の狼の16.4回分も食べたという事実。これが今回の研究の大きな収穫だと思います。

この1つの事実から、いろいろな発展が期待できます。たとえば、体重も普通の狼の16.4倍だとしたら、50㎏×16.4=810㎏! 普通の狼と同じ体型だったら、どれほどの体長になるのでしょう? 基本的な考え方は、中3の数学で習います。そのとき関数電卓が使えるようになっていれば、具体的な答えも出せます。楽しみにしていてください。

研究というものは、1回の報告書で終わるものではなく、ずっと続いていくんだということを、改めて実感しました。計算の仕方は学校で教えてくれますが、「着眼点」というものは、毎日の生活を通じて自分でつかみ取っていくしかありません。それができたのは、素晴らしいことだと思います!