昔話紹介
猿から無理やりおむすびと交換させられた柿の種を庭にまいてカニさんが歌うと、芽が出てきて、また歌うとあっという間にたくさんの実がなりました。
材料と検証
「桃栗三年柿八年」という言葉がある通り、柿は種をまいてから約8年で実をつけます。
結論と、それにより物語はどう変わる?
かにが植えた柿は、実をつけるまで何年もかかったに違いない。すると、『さるかにがっせん』の物語はうなる。
柿の実が育つのに 8年かかり、そのあいだにカニの子供たちは立派に成長し、柿が食べごろになった時、猿の力を借りずとも柿をとれるようになり、猿の出番は無くなりました。
柳田理科雄のコメント
「柿が普通に育っていれば、サルの出番はなかった」という結論は、誰もが納得するしかなく、すごく面白いです。
そして「柿は種をまいてから実がなるまでに8年かかる」という情報は、よく調べましたね。僕も調べて初めて知りましたが、柿は普通、種から育った苗木を古い木の切り株に接ぎ木して、この育て方だと4年で実をつけますが、種からだと8年かかるそうです。「柿八年」とは、単に「長い時間がかかる」という意味ではなかったんですね。
ただ一つ残念なのは、結論につながる「子どもたちは立派に成長したので、サルの力を借りなくても柿が取れるようになった」という最重要部分が、いまひとつ説得力に欠けることです。カニは成長すれば、木に登れるのでしょうか。
「木に登れるカニ 日本」で検索したら、なんとビックリ、日本にも木に登れるカニはいて、種類も特定できました。この部分があったら、八巻さんがたどり着いた結論が、もっと輝きを増したでしょう。これからも、一つひとつの疑問を大切にして、いろんなことを楽しく考えてください。