昔話紹介
鼠夫婦は、娘を世界中で一番偉い者に嫁入りさせたいと考え、父は偉大な月や雲、風などに会いに行くが、みな自分よりも偉い者がいるという。最後、壁に会いに行くと、「お前たちにかじられ、穴を開けられる」という。結局娘は、鼠と結婚したのだった。
材料と検証
まず風について考えてみる。風は、建物の間など起伏や障害物がある場所でふくとウィキぺディアにある。したがって風は普段、鼠が住む場所で吹くもので、鼠が風に会うことは可能と考える。次に雲について考えてみる。雲は、kodomonogimon-otonanogimon.comによると層積雲などについては地上500ⅿから2000ⅿで発生するとあることから、ネズミでも標高が高い山に草食動物などに乗って登れば、雲と会うことができるので、可能と考える。最後に、月について考えてみる。月までの距離は38万㎞(www.jaxa.jp)もあるのでネズミが月まで行くことは不可能だが、空にある地上から見える月に、空を飛ぶペリカンののど袋に入って近付くことにすれば、食べられる可能性が高いが、空から落ちることなく月に会うことが可能だと考える。
結論と、それにより物語はどう変わる?
さて、いよいよ月に合うために、ペリカンののど袋に入った父鼠。しかし、悪食のペリカンはつい飲み込んでしまい、父鼠はペリカンの体内で消化されてしまいました。それを悪く思ったペリカンは父鼠の代わりに月に会いに行きます。その後、無事に娘鼠は嫁入りすることができたとさ。
柳田理科雄から
繊細さと大胆さが、見事に調和した研究だと思います!
たいていの人は、会うのがいちばん難しい月に会う方法だけを考えて、風や雲のことは忘れてしまうものです。同じ疑問を考えるとしたら、僕もそうしてしまいそうな気がします。
ところが清水さんは、風や雲について調べ、会えるかどうかを一つひとつ検証しています。科学では、みんなが当たり前と思うことを、「本当にそうか?」と疑うことが、とても大切です。まるで、科学の論文を読んでいるような気がしました。
なかでも雲については、ネズミが高い山に登れるかどうかを検討して、「草食動物の背中に乗せてもらう」というアイデアを出しています。おそらく、アルパカ(アンデス山脈)、ヤク(チベット高原)、アイベックス(アルプス山脈)」などをイメージしたのでしょう。
かと思えば、ネズミのお父さんが、ペリカンに食べられてしまう! 誰も予想しなかった結末!
そのペリカンも、悪いと思って、父親に代わって月に会いに行きます。なかなかいいやつで、心がほぐれました。おそらく、娘も結婚式で、青空にお父さんの笑顔を思い浮かべたことでしょう。
ただ1つ残念なのは、風についての情報元が、ウィキペディアになっていることです。このサイトの記事は、「誰が」「いつ」書いたかわからないので、信頼性が高くありません。だいたいのことを調べたい段階では使って構いませんが、必ず信頼できる情報源で、もう一歩、深く調べましょう。
でも、これを読んでいる人は、清水さんのおかげで、ウィキペディアとの付き合い方について知ることができました。失敗は、前進のきっかけになりますね。