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未来少年コナン

こんにちは、所長です。

NHKが『未来少年コナン』を再放送すると聞いて、真っ先に思い浮かべたのは、凛としたラナちゃんの表情である。清楚な美少女で、一途にコナンを信頼し、どんなに追い込まれても、決して弱音を吐かない。『コナン』放送の翌日に学校に行くと、男子どもが「ラナちゃん、かわいかー」「ラナちゃんみたいな彼女がほしかー」とつぶやき合っていた。

最初は特撮番組を中心に検証していた『空想科学読本』が、積極的にアニメも扱うことにしたのは『3』のときで、その方針を決めた僕は、ただちに『未来少年コナン』を候補に挙げた。いちばんの魅力はラナちゃんだが、主人公・コナンの並外れた体力も印象的で、ぜひ科学的に考えてみたいと思ったからだ。

柳田による検証の結果は予想どおりだった。高い塔に幽閉されていたラナちゃんを救い出したコナンは、彼女を背負って塔から飛ぶ! 着地するまでの時間を計ると、なんと10秒! ということは、コナンは高さ490mの塔から飛び降りた計算になり、すると着地の速度は時速360㎞! でもコナンは、足が痺れただけという強靭さ!

――などという結論を導いて喜んでいるうちはよかったが、そのうち柳田が「ビデオを見ると、ラナもすごいよね」と言い出した。ラナちゃんを呼び捨てにするのにムッとしつつも、清楚な彼女の何がすごいのか、まるで思い当たらないので聞いてみた。すると、柳田は「船のマストに縛りつけられたとき、ロープを噛みちぎって脱出した。あれはモノスゴイ!」。言われてみれば、そんなシーンもあったような…。いや、でも、そんなの計算しなくても…。

などと思っているうちに、柳田は実験と計算の結果を示して、こう言った。「ラナがロープを噛み切った力は18t。この女子は、車のボディの鉄板くらいバリバリ齧り切れるね」。僕が茫然としていると、さらに続けて「コナンもすごいけど、さっきの塔から着地したとき足にかかった力は8.7tだから、単純な比較はできないけど、この2人がケンカしたら、ラナが勝つかもしれん」。ええっ、なんだそりゃ!? よけいな計算するんじゃねーよ!

そんなこともあって、別の意味でもラナちゃんが印象づけられてしまったのが、僕にとっての『未来少年コナン』である。もう何度も見たけど、何度見ても面白い。そして、科学的な検証結果がどうあれ、やっぱり凛としたラナちゃんがとてもいい。