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『ちびまる子ちゃん』の学習マンガがとても面白い!

「学習マンガ」がすごいことになっている。

マガジンハウス『つかめ!理科ダマン』のシュールなマンガも、JTBパブリッシング『るるぶマンガとクイズ』の詰め込んだマンガも、Gakken『マンガ動物最強王図鑑』の予想外にハートフルなマンガもいい。
どれもガンガンに攻めている。
荒っぽいところもあるけど、それも含めてとても魅力的だ。

一方で先日、集英社『ちびまる子ちゃんのお金の使いかた』という本を読んだ。
「これは、昔ながらの学習マンガかなあ」と思っていたのだが、テーマとマンガ(描き下ろしの『ちびまる子』マンガ)がみごとに融合!
お話もとてもよくできていて、ラストでは「まる子、いい子だなあ」と真剣に感動してしまった。

ざっくりお話を書くと、まる子はお年玉をだらだら使ってしまい、おもちゃ屋で「手品セット」を見つけても、買うことができない。
家に帰って「誕生日プレゼントの前倒しとして買ってほしい」と安易に頼むと、お母さんの逆鱗に触れ、残ったお年玉は没収、毎月のお小遣いもナシにされてしまう。

文無しになったまる子は、しっかり者の姉や、クラスのみんながどんなふうにお年玉などを使っているかを聞いてみる。
それを元に、自分でお金の使い方を考えて「決意表明書」を書くと、お母さんが認めてくれて、月々のお小遣いが復活した。
今度こそ、計画的にお金を使って「手品セット」を手に入れたい。
そう思うまる子は、裕福な花輪クンに金融の知識(為替や投資のことまで!)を教えてもらったり、おばあちゃんに年金のことを聞いたりしながら、お金についての視野を広めていく……。

「さくら家の人々って、こんなにお金に詳しいの!?笑」とうっすら感じる面もあるけど、マ ンガとしてはぜんぜん無理なく、楽しく読める。
とても良質な本で、編集者や監修の先生がていねいな仕事をされたのはもちろんだと思うが、シナリオを書かれた登坂恵里香さんという方もとてもお上手なのだろう(『ちびまる子ちゃんの友だちづき合い』など、登坂さんシナリオの他の本も読んだけど、やはり面白い)。

続々登場する新しいタイプの「学習マンガ」も本当に楽しいのだが、一方でこういったオーソドックスな本も充実している。
学習マンガ、まだまだ要注目のジャンルである。