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マンガやアニメの岩手県

空想科学研究所が作った『空想科学手帳』には日本地図のページがあり、都道府県ごとに一つずつ、マンガやアニメのエピソードを記載している。
そのなかには「このエピソードでよかったかなあ」と思っているものもある。

たとえば、岩手県の項に記載されているのは「宇宙戦艦ヤマトの乗組員 相原義一の出身地」。
それは劇中でも語られた事実で、精神的に疲労した相原の治療のために、森雪が「北上夜曲」を聴かせたりしていた。
マゼラン銀河に向かう宇宙船で「北上夜曲」を聴く、という組み合わせが印象的で、僕自身は気に入っているのだが、とはいえ古いアニメの脇役の話だ。
冷静に考えると、もっとメジャーな岩手県のエピソードがありそうな気がする。

そこでTwitterで「岩手県に関するマンガやアニメのエピソードを教えて」と相談してみた。
すると、たちまち興味深い話が幾つも寄せられた。たとえば……、
『ジパング』の主人公の一人・草加拓海の出身地は岩手県!
『六三四の剣』の夏木六三四の出身地は岩手県盛岡市! 父は県警の警察官!
『大怪獣バラン』が出現する湖が「北上川上流」というのは、たぶん岩手県!
『ふしぎ遊戯』で、玄武の巫女が帰還したのは、岩手県雫石町の玄武洞!
『うしおととら』で潮ととらが一鬼たちと戦ったのは、岩手県の遠野!
『ぬらりひょんの孫』の奥州遠野一家の拠点も、岩手県の遠野!
『ドカベン』で、明訓高校に勝った唯一の高校は、岩手県代表の弁慶高校!

なるほど、岩手県には『遠野物語』や『銀河鉄道の夜』があるし、奥州藤原氏が源義経をかくまったという歴史的事実もある。それらを反映したエピソードが多いのもナットクだ。
それでいうと、僕がいちばん笑ったのは、次の投稿だった。

弁慶が立ち往生したのは、岩手県の平泉!

「弁慶の立ち往生」は、義経を守るために武蔵坊弁慶が敵の大軍に立ち向かい、無数の矢を受けて、立ったまま死んだ……というエピソードから来ている故事。
史実なのか創作なのか微妙なところもあって、まことに「空想科学」的ではないか。

とはいえ、マンガやアニメの話ではない。
『空想科学手帳』の新版を作るときに、それを岩手県の代表的エピソードにしてよいのかどうか、悩むこところである。