こんにちは、所長です。
いま発売中の女性誌「Oggi」の11月号に、なんと「空想科学」のプチ特集が載っている!「今こそ学びが必要だ! ~働く私の『空想科学読本』~」というタイトルで、『愛の不時着』や『大豆田とわ子と三人の元夫』や『君の名は。』など、20題材が紹介されているのだ。
女性誌で「空想科学」が扱われることは、とても珍しい。
過去にも、柳田がインタビューに答えたり、コメントを寄せたりしたことはあったが、せいぜい半ページほどの扱いだった。ところが今回は8ページもの堂々たる記事であり、「Oggi」の編集部から企画を提案されたときには、思わず「本気ですか?」と聞き返してしまった。
そんな反応になってしまうのは、本でもネットでもYouTubeでも、空想科学研究所のコンテンツを楽しんでくれるファンは、圧倒的に男子が多いから。ざっくりいえば、85%が男子!という感じではなかろうか。
少し違うとしたら『ジュニア空想科学読本』くらい。これは圧倒的に女子読者の多い児童文庫レーベルから出ているので、小学5年生の女子から「『ジュニ空』は気楽に読めるので、ちっとも本を読もうとしないクラスの男子に薦めようと思います」などというお便りをいただいたりする。
「Oggi」は働く30代~向けの女性誌で、あれこれ読んでみると、かなりマジメな読者が多そうな印象だ。だからこそ、空想科学の記事も「今こそ学びが必要だ!」という実直なタイトルなのだろう。
編集者としての感想を記すなら、ここに「学び」という言葉を使えるのは、なかなかすごい。「空想科学」はマンガやアニメを題材にしているが、検証する手段は理科や数学であり、それらは学校の勉強そのものだ。だが、それを強調してしまうと、読者が拒否感を抱くかも……とも思って、僕は「勉強」や「学び」という言葉はできるだけ使わないようにしている。
なのに「Oggi」は、すっぱり「学びが必要だ!」と言い切っている。そんな言葉の投げかけができるのは、編集部が読者のことをちゃんと理解しているからだろう。「うちの読者には、ここまで言っても大丈夫」と。
そう感じたことも含めて、女性誌に取り上げられるという経験は、貴重で面白かった。
とはいえ、30代~の女子読者に「空想科学」の魅力が伝わるかどうかはわからない。「Oggi」に載るなどこれが最初で最後であろうと思い、編集部から送っていただいた掲載誌のほかに、自分でも本屋さんで1冊買わせてもらった。