研究資料 空想科学研究所

推薦図書

主任研究室の本棚に並ぶ数々の科学の書。
その中から読者の皆さんにぜひ読んでいただきたい本を、紹介していきます。

『よわいかみ つよいかたち』
(かこさとし/童心社)

よわいかみ つよいかたち 寝かせた2冊の本にはがきを橋のように架け渡し、真ん中に10円玉を1枚ずつ載せていく。はがきの橋はすぐに折れてしまうが、「く」の字に折ったり「コ」の字に折ったりすると、信じられないほど強くなっていく……。
 こうした実験から、物の強さは形によって変わることを実証してゆく絵本。その理由は説明されていないが、自分で実験してみれば、理由も原理も体を通じて染み込んでくる。
 もう1つ心に響くのは、末尾の絵。そうした工夫がビルの鉄骨などに生かされている様子がパノラマ風に描かれている。科学技術の最先端は、誰にでもできる実験の延長にある。科学は選ばれた人だけのものではない。著者はそう伝えたかったのではないだろうか。
 本書を初めて読んだのは、小学校低学年の頃。当時からぼんやりと科学に憧れていた僕は、科学とはどういうものかがはっきり見えたような気がした。忘れることのできない、そして出会えたことに感謝したい本である。

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