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ガメラ

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『大怪獣ガメラ』デジタル・リマスター版〔DVD〕

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怪獣といえば、誰もがまずゴジラをイメージする。それはいいのだが、昭和の『ゴジラ』シリーズには、同時期に『ガメラ』映画という好敵手がいたことを忘れてはなりませんぞ。しかも、当時の子どもにとっては、ガメラのほうが魅力的に感じられる面も多かった(と思う)。
なんといっても、『ガメラ』映画に出てくる怪獣たちがよかった。ガメラは手足を引っ込めると、そこから炎を吹き出して、くるくる回りながら空を飛ぶ! バルゴンはニューギニア生まれなのに、なぜか冷凍怪獣で、背中からは7色の虹を出す! ギャオスは超音波光線を吐いて、飛行機も新幹線もスパスパ切断する! ギロンは頭が巨大な包丁になっていて、今度はギャオスの胴体をブツ切りに……! どれもこれも非科学的なんだけど、それだけに「いかにも怪獣!」という存在感が輝いていた。
第1作目の『ガメラ』は1965年の大映作品で、なんとモノクロ映画。同じ年に東宝では、ゴジラ、ラドン、キングギドラが競演する『怪獣大戦争』を作っているから、この時点ではまだ、怪獣映画としての実力差が大きいと思われた。
だが、翌66年の『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』は、重厚で質の高い映画だった。さらに翌年の『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』は、手に汗握る第一級のエンタテインメント映画であった。同じ年に東宝が公開したのが『ゴジラの息子』で、これには子ども心に「ミニラとか出さないでほしかった……」とかなりガッカリした記憶があるから、少なくともこのとき、ガメラはゴジラを超えて、昭和の子どもの心をつかんでいたのではなかろうか。
しかし、制作会社の経営が悪化し、翌年の『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』からは予算が激減。おカネをかけずにインパクトを出そうとした結果、この『バイラス』ではガメラが串刺しになり、69年の『ガメラ対大悪獣ギロン』では宇宙ギャオスがバラバラにされ、70年の『ガメラ対大魔獣ジャイガー』ではガメラが血を吸われて透明化……など、びっくりシーンが売りのシリーズになってしまう。そして、翌年の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』を最後に、映画会社が倒産し、昭和のガメラシリーズは幕を下ろしたのだった。
個人的にこのシリーズを一言でまとめるなら「後発ながらメキメキ実力をつけ、一瞬ゴジラを抜いて輝き、その後はオトナの事情のなかで苦しみつつ、怪獣の魅力に特化した映画を作り続けた」となる。なんか人生の悲哀を感じるシリーズの流れだ。だが、子どもの頃にそんな怪獣映画があったのは、まことに幸せだった。

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『ジュニア空想科学読本』シリーズで扱っている題材のうち、 いまの子どもは知らないだろうと思われる古い作品について、 簡単に紹介するコーナーです。 「角川つばさ文庫」というレーベルから刊行されていることもあり、 同シリーズの対象年齢は小学校高学年。 しかし、すぐれた作品の魅力は、時代や年代を超えて伝わると考え、 古くてもマイナーでも、容赦なく取り入れている次第です。

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